イーサリアムがアップグレードを控えているって聞いてるワン！
どんな内容か教えてほしいワン？？
ひとことでいうと、”PoWからPoSへの移行”かな！
勉強したので、くわしく解説するよ！
イーサリアムのアップグレードの内容とひとことでいうと、
コンセンサスアルゴリズムをプルーフ・オブ・ワーク（Proof of Work/PoW）からプルーフ・オブ・ステーク（Proof of Stake/PoS）への移行
です。
この大型アップグレードは「The Merge（マージ）」と呼ばれ、暫定実施予定日は2022年9月15日頃であるとされています。
全世界が注目するビッグイベントなんですが、日本にいるとその盛り上がりがつかめないところ。
本記事ではそんなイーサリアムのアップグレードである「The Merge（マージ）」について初心者でもわかりやすく解説します。
本記事では、
といった疑問に答えます。
先に結論からお伝えすると、
となります。
PoWとPoSの定義について解説！
プルーフ・オブ・ワーク（Proof of Work/PoW）とは、
プルーフ・オブ・ワーク（以下、PoW）とは、ひとことでいうと、
仕事量によって報酬を得られる仕組み
をいいます。
暗号資産の古典的な合意形成メカニズム（コンセンサスアルゴリズム）で、ビットコインが最初に採用しました。
ざっくり具体的に言うと、
処理に必要な作業を最も早く終わらせた人が、ブロックチェーンを更新でき、ネットワークから事前に決められた金額の暗号資産を報酬として受け取る仕組み
です。
プルーフ・オブ・ステーク（Proof of Stake/PoS）とは、
プルーフ・オブ・ステーク（以下、PoS）は一言でいうと、
預け入れた資産量によって報酬を得られる仕組み
です。
PoSを文字通り訳すならば「資産保有による証明」です。
つまり、発行済の全コイン総量に対する保有コインの割合によって、発言力が変動するように設計されたアルゴリズムをいいます。
コインを持っている量（Stake）に応じて、ブロックチェーンの承認成功率を決めることを基本としています。
PoWとPoSの違い
PoWとPoSが異なる点のイメージとしては、
という仕組みになっています。
イーサリアムは今回のアップグレードにより、PoWからPoSへ移行することとなります。
イーサリアムとは
もともとイーサリアムは、当時19歳だったロシアの天才少年ヴィタリック・ブテリン氏がビットコインの発明を見て、
「あらゆる目的のために使えるブロックチェーンのプラットフォームをつくればいいんじゃないか」と考えて生み出したブロックチェーンのプラットフォームです。
イーサリアムをビットコインのバージョンアップ版として、天才少年ヴィタリック・ブテリンはスマートコントラクトという機能を付加しました。
この点が、イーサリアムがビットコインよりバージョンアップした仮想通貨と言われるゆえんです。
スマートコントラクトとは
スマートコントラクトとは、
ブロックチェーン上で契約を自動的に実行する仕組み
のことです。
簡単に言うと、
- ビットコインをだれが持っているか？
- 何枚持っているか？
- 何枚送ったか？
という、履歴を世界中のみんなで監視・検証・管理されているという仕組みです。
このスマートコントラクトの監視方法を超ざっくり言うと、
- パソコンにマイニングをするソフトウェアが入れる。
- そのパソコンのソフトウェアを稼働させつづける。
- ソフトウェアがビットコインのやりとりの履歴を24時間ずっと検証する
といったやりかたです。
この監視方法を世界中の多くの人が同時にやることによって、人の手を掛けずに効率的で安全性が高い取引ができるようになります。
ちなみに、このパソコンの力を使って、みんなでデータを検証しつづけて取引について合意形成する仕組みがPoW（プルーフ・オブ・ワーク）です。
PoWは、現在でもイーサリアムのデータの監視・検証・管理で採用されているシステムです。
世界中のスペックの高いパソコンによって行われていて、このパソコンを動かし続ける人たちは報酬としてイーサリアムをもらっています。
スマートコントラクトの課題
このスマートコントラクトにも課題はあって、
24時間永遠にやりとりの履歴を追い続けるので、膨大なマシンパワーが割かれ、電気代を跳ね上げる
と言われています。
というのも、PoWで世界中のマシンスペックが高いパソコンがずっと稼働し続けます。
なので、イーサリアムやビットコインを維持させ続けるのは、一国の年間の電気使用量に匹敵するという試算も出ているわけです。
このPoWというアルゴリズムは環境に悪いという批判が集まっていきました。
ビットコインをベースとしたイーサリアム
イーサリアムは、ビットコインをベースにしています。
ビットコインはお金のやりとりを履歴として管理する堅牢な仕組みがあります。
「そんなビットコインに新たな機能としてプログラム自体を置いてしまえば、だれも改ざんできない状態で動く堅牢なシステムをに作れるんじゃないか」
というアイデアから生まれたのが、ビットコインをアップデートした仕組みが、イーサリアムです。
イーサリアムは、ビットコインをベースにしてるので、さきほど電気代が莫大にかかると言ったPoWの仕組みはそのまま受け継がれています。
ただ、アップデートはされているので、電気代はビットコインほどかかりません。
とはいえ、環境問題を指摘されないほどのレベルにはなっていないんです。
The Merge（ザ・マージ）とは
この課題感を受けて、The Mergeというアップグレードが行われるというのは実は数年前から叫ばれていました。
なぜなら、PoWのままだと、環境問題や電気代、ガス代などの問題が解消できません。
なので、マシンスペックやパワーに依存しない別の新しい監視・検証・管理の方法として編み出そうとする動きが生まれたんです。
それが、PoS（プルーフ・オブ・ステーク）です。
PoSでは、イーサリアムのステーキング量（預け入れ量）に応じてブロックチェーンの承認を可能とし、その更新の報酬としてイーサリアムを渡します。
「イーサリアムのステーキング量が多い人であれば、イーサリアムに価値を悪くするようなことをしない。」
という考え方がこの仕組みの背景にあります。
このイーサリアムの預け入れ量で運用する新しいアルゴリズムを提唱することで、市場にイーサリアムの購入をすすめてきたと経緯もあったりします。
PoSになると解消されること
このPoSにするとガス代が高い問題が解消されると言われています。
というのも、
- そもそも検証に使うためのマシンパワーの多くが必要なくなる
- ステーキングしていることによる報酬がPoWのころのそれと比べて1/10になる
といわれてるからです。
PoWとPoSは本質的には同じ
PoWとPoSはブロックチェーンの運用基準を、
- 仕事量できめるか（PoW）
- 資産保有量できめるか（PoS）
という違いはあるのですが、本質的に違いはないと言われています。
というのも、PoWはコンピューターと電気代を大量に使って毎回計算を行なっています。
ブロックチェーンの承認に対しての成功確率を上げるには、より多くのコンピューターや電気代といったパワーを投入しなくてはなりません。
ただ、より多くのパワー投入できる人は、そもそも多くの資金を持っている人です。
資金がないと高性能なマシンを用意して、マイニングに勝てる設備を作れないからです。
そんな中、PoSでは資金多く預け入れた人が確率的に報酬を得やすくしています。
なので、資金がない人（高性能なマシンを持っていない人）は自然と参加を辞退します。
（※資金を預け入れた量で報酬が決まるため）
その結果、無駄に電気代やマシンパワーを消費しない構造になり、資金を多く持っている一部の人のマシンパワーだけで運用が可能になるんです。
PoSとPoWは本質的な違いはなく、PoWの無駄をカットすることに成功しています！
そういう意味でPoSはPoWを上手く置き換えられていると言えます。
PoWで利益を得ていた人たちからの猛反発
一方で、PoSでガス代問題が解消することは、今までPoWで稼いでいた人が稼げなくなることを意味します。
なので、既存のPoWで報酬をもらっていた人たちからの猛反発が予想されています。
ここにイーサリアムのThe Mergeが反発を受けているポイントがあります。
この反発が高まっていくことで、イーサリアムのハードフォークが起こりそうと言われる要因があるわけです。
金の切れ目は縁の切れ目とはよく言ったものだワン
ハードフォークとは？
ハードフォークというのも耳慣れない言葉かもしれません。
わかりやすい過去の事例としてはイーサリアムとイーサリアムクラシックがあります。
このふたつのチェーンが今も世の中に存在していて、日本の取引所でもETCとETHとふたつのイーサリアムがつく仮想通貨がありますよね。
これを見て、初心者の方は「両方ともイーサリアムなの？」と思った方も多いかも知れません。
ですが、みなさんが今、イーサリアムとして読んでいるのはクラシックじゃない方のETHの方です。
THE DAO事件
では、なぜイーサリアムクラシックがあるかとういと、THE DAO事件にルーツがあります。
THE DAO事件は2016年に起きたイーサリアムのハッキング事件です。
60億円相当のイーサリアムがプログラムのバグによってハッキングの被害に遭いました。
この事件をどう処理するかで、イーサリアムの運営が二分しました。
2016年はイーサリアムの黎明期だったので、
- ハッキングを過去の歴史から消して、なかったことにしようとする派
- ブロックチェーンであるならば過去の歴史を改ざんしてはいけない派
という２つのコミュニティに意見がわかれたんです。
結果、どうなったかというと、
- ハッキングを過去の歴史から消して、なかったことにしようとする派
⇒イーサリアム - ブロックチェーンであるならば過去の歴史を改ざんしてはいけない派
⇒イーサリアムクラシック
となりました。
イーサリアムクラシックは過去の歴史は改ざんしない派です。
今、みなさんがイーサリアムと読んでいるETHの方が、過去のTHE DAO事件という歴史をなかったことにしたコミュニティなんです。
このように１つだったブロックチェーンが、２つに完全に分裂し、別の道を歩むことになる状態になることを、ハードフォークと呼びます。
コミュニティの意思が最も重要である
ちなみに「ETHは歴史を改ざんしていたのか・・・。」と、ショックを受ける方もいるかもしれません。
ですが、コミュニティの総意であれば、この歴史を民主的に変更するのもアリなわけです。
このTHE DAO事件は、ブロックチェーンの運用において、
「コミュニティの意思が大事なんだ」
という意思をしらしめる事件としても意義のある出来事だったと言われています。
そして、今回のThe Merge（マージ）も「コミュニティの意思が大事である！」ということ知らしめる機会になると予測されています。
The Mergeでなにが変わる？？
このThe Mergeによって、PoSに変わることで、
- ガス代が安くなる
- トランザクションが早くなる
などなど、一般の利用者からするといいことばかりです。
すでにイーサリアムのテストネット版ではPoSが動き出していて、このTHE Mergeによってメインネット版のほうにリリースされます。
そこからは完全にPoSのイーサリアムが動き出します。
イーサリアムの利用者は世界的に増えているので、このバージョンアップは世界の一大イベントとして捉えられています。
この動きの中、PoWで利権を得ていた人たちがハードフォークを起こして、かつてイーサリアムとイーサリアムクラシックで起こったようなハードフォーク（分裂）を起こす可能性があります。
イーサリアムはシステム開発はオープンソースで行っています。
ある程度のスキルを持ったエンジニアであれば、今、動いている形で分岐させることは実現可能です。
そうなると、あなたが持っているイーサリアムが、
- 新しいPoSのイーサリアム
- 既存のPoWのイーサリアム
の２つに分裂することが起こる可能性があります。
これにより、
- 資産が分裂するんじゃないか？
- ふたつに分かれると倍になるんじゃないか？
- 全体の時価総額は変わらないから変化はない？
といった議論が活発に全世界で行われています。
この盛り上がった議論に、
- お祭り好きの投資家が集まる
- 過去にハードフォークしたイーサリアムクラシック勢もまた脚光を浴びる
といったことが起きる可能性もあるので、今後のイーサリアムの相場は全くもって不透明です。
ただ、本質的にはユーザーが使いやすくなるアップデートです。
全体的な価値は高まるというのが、全体の見方になっています。
- ガス代が安くなる
- トランザクションも早くなる
となるので、イーサリアム上のNFTゲーム、Web3系アプリケーションのサービスの幅が広がることにもつながります。
なので、今のタイミングで資産をイーサリアムに投じるとか、法定通貨をイーサリアムやイーサリアム上でNFT化しておくといった流れは続いてくでしょう。
ちなみにNFTもハードフォークをされた場合、
- PoSの新イーサリアムになるのか、
- PoWのままの旧イーサリアムになるのか、
- はたまた両方のチェーンに残るのか
はOpenSeaなどのプラットフォームが、どのチェーン（PoSのチェーンorPoWのチェーン）に対応するかで決まります。
また、日本の取引所も、プラットフォームの動きに対してどこまで対応できるのか。
全ては、The Mergeの次第となるので、ここから2022年9月15日ごろまでイーサリアムから目が離せない状態が続きそうです。
ビットフライヤーで情報を追おう！
ハードフォークに対する対応は暗号資産取引所ごとで異なります。
状況次第で旧通貨の保有高に相当する新通貨を得られる可能性があります。
ただ、必ず新通貨を得られるわけではなく、新通貨を付与するかどうかは各暗号資産取引所次第です。
その点、ビットフライヤーは過去に、
ネムのハードフォークで生まれたシンボルをbitFlyerでネムを保有している人で一定の条件を満たした人にシンボルを付与したという実績
があります。
また、情報のキュレーションも質が高いと好評です。
これからイーサリアムのマージに期待して、
- 仮想通貨口座を開設する方
- 新通貨付与を期待する方
は、新通貨が付与された例もあるビットフライヤーでの情報チェック、仮想通貨口座開設をおすすめします。
まずは公式サイトご確認してください。
まとめ
本記事のまとめです。
まとめ
PoWは仕事量で仮想通貨の報酬をもらえる仕組みです。
PoSって預け入れた量で仮想通貨の報酬をもらえる仕組みです。
ハードフォークってはひとつだったブロックチェーンが２つに完全に分離、独立して歩んでいくこと。
イーサリアムがアップグレードしたらサービス自体の価値は高まるが、ハードフォークやお祭り好きの投資家乱入で市場がぐちゃぐちゃになる可能性アリ
9/15まではイーサリアム関連の情報から目が話せない！新規の口座開設・情報のチェックはビットフライヤーで！
です。
ビットフライヤーでの仮想通貨口座開設のスクショ付き解説記事はこちらです！！