本記事ではイーサリアム財団が発表した、9/15に予定されているイーサリアムのマージにまつわる誤解について解説します。
イーサリアムのマージに関する予測はネット上で様々飛び交っています。
そんな中、運営が正式に世の認識を修正するために発表した内容ですので、注目が集まっています。
- すでにイーサリアムを持っている方
- これからイーサリアムを買おうと思っている方
どちらにも重要な情報ですので、必ず本記事を最後までご覧下さい。
では、いってみましょう!
イーサリアム財団は、イーサリアムの促進と管理を行う非営利の民間企業。スイスのツークに拠点を置く。イーサリアムのグローバル コミュニティの取り組みを組織化するために、ヴィタリック ブテリン、ギャビン ウッド、その他数名によって 2014 年に設立された。イーサリアム財団による 2014 年のイーサリアム のプレセールでは、31,591 ビットコイン (BTC) が調達され、当時の価値は 18,439,086 ドルで、約 60,102,216 のイーサリアムが販売されました。
引用:Crypto Markets Wiki
イーサリアムのマージとはなにか?
マージとは9月15日頃に予定されているイーサリアムの大型アップグレードです。
イーサリアムにおけるコンセンサスアルゴリズムをPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)へ変更する計画です。
本ブログでも以前、ご紹介しました。
イーサリアムに関する8つの誤解
本記事の元ネタはこちらになります。
イーサリアム財団の公式発表を確認したい方はこちらからどうぞ!
マージの誤解①ノードを実行するために32ETHをステーキングする必要がある?
ノードを実行するブロックを受信し、検証するだけであればステーキングは必要ありません。
32ETHとなると、1ETHが25万円と仮定すると、760万円のステーキングが必要になりますが、前述の通り必要ありません。
なので、ノードに参加するハードルは低いので分散化は維持されるといわれています。
ただ一方で、ブロックを作成し、報酬を得るためにはステーキングが必要となります。
ノードとは、パソコン、スマートフォン、ASIC(ICチップ)等、仮想通貨のネットワークを構成しているすべての端末本体を指す。
ノードの役割は、
「ネットワーク接続の保持」
「取引履歴の記録」
「取引の検証と承認」
「仮想通貨の保管と送受信」
の4つに大別され、仮想通貨ネットワークにノードとして参加することで報酬がもらえます。
※ステーキングとは、仮想通貨を保持してブロックチェーンのネットワークに参加することで、報酬を得る方法。ただ保有するだけではなく、ブロックチェーンのネットワーク上に仮想通貨を預け入れておく必要がある。
マージの誤解②ガス代が減る?
ネットワークの処理能力と混み具合に依存してガス代は決まります。
マージはあくまでコンセンサスアルゴリズムの変更です。
ネットワークの処理能力を引き上げるものではありません。
なので、ガス代が大幅に変更するものではありません。
「ガス代が減る」というのは様々な解説記事で語られていたので、「ガス代が減らない」と聞いて驚かれた方々が多くいたようです。
「ガス代は減らない」ので誤解していた方は認識を改めましょう。
ガス代とは、ブロックチェーン上での取引手数料のこと。 トランザクション(取引)の実行や、プログラム処理ごとに発生する手数料。 それらの実行・作業者であるマイナー(取引の承認・記録等の処理を自前のコンピューターで担う、任意の参加者)へ支払われる。
コンセンサスアルゴリズムとはブロックチェーンにおけるブロック生成についてのネットワーク内での合意方法をいいます。
具体的にはPoW、PoSなどがコンセンサスアルゴリズムにあたります。
マージの誤解③マージによってトランザクションの速度が著しく向上する?
コンセンサスアルゴリズムの向上によりブロック生成速度が最大10%向上します。
ですが、これはユーザーが認識できるものではありません。
マージによって、
「取引が早くなる!」
「混雑もなくなる!」
というのは誤解です。
ここもトランザクション早くなるという解説をしている記事が多かったので、驚いた方が多かったようです。
マージの誤解④ステーキングされたイーサリアムはマージ後に引き出すことができる?
- 現在ステークされているイーサリアム
- マージ後に発行されたイーサリアム
はマージ後、しばらく引き落とすことはできません。
マージ後のアップグレードにより引き出せるようになる予定です。
ここもあくまで予定という記述が気になるところです。
マージの誤解⑤バーリデーターはShanghaiアップグレードまでイーサリアムの報酬を受けることができない。
これも間違いです。
ですが、注意が必要です。
バリデーターへの報酬は新しく発行されるイーサリアムと手数料の2つがあります。
新しく発行されるイーサリアムは出金できません。
手数料報酬のイーサリアムが引き出せます。
手数料報酬は現在のメインネットで処理されるため、即時引き出し可能なんです。
Shanghaiアップグレードとは、今回のマージのつぎにあたるイーサリアムのアップデート。「ベルリン」「ロンドン」などアップデートに地名をあてている。
バリデーターとは、ブロックチェーンに記録されるデータの内容が正しいかどうかを検証するノードのこと。ブロックチェーンに記録されるデータ(トランザクションデータ)が正しいものであることを検証している。基本的にはPoS(プルーフオブステーク)を採用しているブロックチェーンで使用される用語。PoW(プルーフオブワーク)におけるマイナーと同じ役割を持つ。
マージの誤解⑥即時引き出しが可能になったと同時に、バリデーターが一斉に離脱する
プロトコルにより、ネットワークから離脱できるバリデーターに制限がもたらされるようです。
なのでバリデーターは一斉に離脱することはできません。
ちなみにバリデーターが減少すると、APRが上昇します。
そうなると、新しく参入するバリデーターは従前よりインセンティブが増える構造になります。
仮に離脱するバリデーターがいても代わりがすぐに埋まるという見立てが出ています。
APRとは単利のこと。「Annual Percentage Rate」
マージの誤解⑦マージ後、ステーキングのAPRは3倍になる
これもまちがいで、3倍になる予測は間違いです。
イーサリアム財団の予測では、マージ後にステーキングAPRは50%ほど増加するとのこと。
マージ後のAPRは200%増というウワサもあるが、そこまも見込んでいません。
マージの誤解⑧マージによりチェーンが一時停止する
マージのアップグレードはダウンタイムなしでPoSに移行するように設計されています。
アップデートにより停止するのは間違いです。
おわりに
いかがだったでしょうか。
これまでイーサリアムは何度もアップデートを繰り返してきました。
そして、これからも数多くのアップデートの予定をすでに発表しています。
ですが、今回はイーサリアム(エグゼキューションチェーン)からイーサリアム2.0(ビーコンチェーン)へアップデートするという大型のアップデートになります。
数あるアップデートの中でもかなり技術的に難易度が高いアップデートです。
なので、「上手くいくのか?」と、全世界が注目しているんです。
一方で、仮想通貨のアップデートは価格を上昇させる傾向があります。
うまくいけば保有しているイーサリアム価格があがります。
この点も全世界のイーサリアム保有者が今回のアップデートに熱い視線を送っている理由にあたります。
そんなイーサリアムですが、マージ前にまだまだ購入のチャンスがあります。
イーサリアムを購入したいと思われた方は、購入までに必要な手続きを本ブログでは解説していますので、あわせてチェックしてみてください。